皮膚の最外層の角層バリヤー弱いこと、皮膚が乾燥状態にあることが原因です。
なぜ、バリヤーが弱いのか、その原因は遺伝子レベルで研究・追求されています(フィラグリン遺伝子異常などがかかわっていることが注目されています)が、病態解明までには至っておりません。
皮膚のバリヤーが弱いと、外部環境のいろんな刺激に対して防御反応が過剰に働いてしまいます。防御反応のサインが皮膚炎です。アトピー素因のある方は体質的に異物に対して抗体を作りやすいため、アレルギー反応としての皮膚炎も繰り返しやすくなります。皮膚炎はかゆみを伴いますので、掻くことにより、さらに角層バリヤーが破壊され、環境アレルゲン以外に汗・皮脂などの自己抗原にも感作され、悪循環的にアレルギー反応が増幅・悪化していきます。一度感作されて、リンパ球から作られた抗体は記憶されていき、他のアレルゲンに対しても抗体を作りやすい体質に傾いていきます。
皮膚は新生児から思春期と成長していくなかで、皮膚バリヤーも強くなっていき、免疫学的抵抗力もついてきますので、年齢により、アトピー性皮膚炎の状態や悪化因子が違ってきます。つまり、その時期に応じた適切なスキンケアー・加療が必要です。